トゥルシ
薬草の解説:
トゥルシにはいろいろ品種がありますが、今回ビールに使用したのは当棚田で栽培しているラマトゥルシです。
トゥルシ(ホーリーバジル)は、アジア、オーストラリアの熱帯を原産とするシソ科のハーブで、ヒンドゥー教では女神ラクシュミーの化身とされ、聖なる植物として崇められています。死神を寄せ付けない植物として家を守る効果があるとされることから、今でもヒンドゥー教の寺院の回りにはたくさんのホーリーバジルが植えられています。
インド医学アーユルヴェーダでは「ハーブの女王」と言われ、免疫力強化・強壮・ストレス緩和・デトックス作用・抗酸化作用・アンチエージング・リラックス効果があると言われています。
香りの成分である「リナロール」には心をリラックスする効果があるとされ、不安やストレスを解消する効果があるとされます。そのため、エッセンシャルオイルは、アロマテラピーやアーユルヴェーダのほか、香水や化粧品の香り付けに利用されます。
主成分のオイゲノールやカリオフィレン、ウルソール酸といった抗酸化成分が、ストレスホルモンのコレチゾールを抑制し、若返りのホルモン「DHEA」を活性化させるといわれ、近年トゥルシの美容や身体的な老化の防止(アンチエイジング)への効果・効能が注目されています。
葉っぱに含まれるエーテル(ジエチルエーテル)には、強力な抗菌効果があり、黄色ブドウ球菌や大腸菌などの繁殖を防ぎます。
ホーリーバジルのこれらの有効成分が、免疫機能と新陳代謝を高め、生活習慣病やインフルエンザ、風邪の予防のほか、頭痛、呼吸器の疾患、肝機能の低下、胃炎、むくみ、冷え性など体の不調を和らげ、根本的な体質の改善へと導いてくれます。
トゥルシは、「アダプトゲン」の1つです。
アダプトゲンとは、「副作用がない(無害)、様々なストレスに対しての抵抗力を高める、体調(生理機能)を整える」という3つの条件をもったハーブのことを指します。
近年の研究によってその効果が実証されつつあり、薬の副作用が心配な方や、自然に体質改善をしたい方が漢方薬のような扱いで使われています。
トゥルシはシソ科特有の薄紫色の小さな花を咲かせますが、ミツバチたちはこの花が大好きなようで毎日やってきてくれます。トゥルシは花の季節が9月から11月くらいまでと長く続くので、大切な蜜源植物ともなっています。