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ジャーマンカモミール


キク科シカギク属の1種の耐寒性一年草。和名はカミツレ(加密列)。
カモミールはキク科の植物で、ハーブティーに使用されることでも有名です。原産地はヨーロッパですが、現在は世界各地で栽培されています。カモミールの香りがリンゴの香りに近いことから、古代ギリシャ語で「地上のリンゴ」を意味する「カマイ・メロン」が語源だといわれています。
カモミールには数多くの種類があります。そのなかでも薬用や香料として使用される代表的なものは、ジャーマンカモミールとローマンカモミールの2種類で、それぞれ香りや味が異なります。一般的にハーブティーに利用されているのは、苦みが少ないジャーマンカモミールです。

ジャーマンカモミールの花は可憐でフルーティーな香りを放ちます。
カモミールは、筋肉の緊張を解きほぐし、気分をおだやかにする効果にすぐれているので、リラクゼーションや不眠の解消に役立ちます。鎮痛効果、体を温める効果もあるので、肩こりや腰痛、頭痛、歯痛などの痛みの緩和に適しています。消化を助け、胃腸の調子を整えるはたらきがあり、胃炎や消化不良、下痢の解消などに役立ちます。また、リラックス効果により、ストレスが原因の胃痛にも用いられます。炎症を抑える作用もあり、近年ではカモミールを原料とするアトピー用入浴剤も開発されています。
もちろんアロマティーとしてもカモミールはとても人気のあるハーブです。

ドイツでは頭痛や風邪、下痢などの症状があるときに薬草茶として利用されてきました。また、ジャーマンカモミールに含まれる成分(カマズレンやアピゲニンなど)には抗炎症作用があり、ストレスからくる胃痛を抑えるハーブティーとして飲まれています。外用としては、うがい剤や入浴剤などに利用されています。
カモミールは、4,000年以上前の古代バビロニアの時代から負傷した兵士の傷をいやすために使用されていたようですし、世界三大美女の1人として有名なクレオパトラも、リラックス効果や美肌目的でカモミールを入浴剤に利用していたとされているように古い歴史がある安心して使えるハーブと言えます。

棚田でカモミールを栽培している畑は、近くに行くだけで優しい香りに包まれてとても幸せな気持ちになります。他の野菜たちを虫から守る働きもあり、コンパニオンプランツとしても役立ってくれています。

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