強制カーボネーションとナチュラルカーボネーションについて
ビールに炭酸を加える作業を「カーボネーション」と言い、その方法は2種類あります。
1つは「強制カーボネーション」というビールに炭酸ガスを外部から直接加える方法(大手ビールはこの方法)、もう1つは「ナチュラルカーボネーション」といってビール酵母の活動で自然発生する炭酸を溶け込ませる方法です。
ナチュラルカーボネーションは、酵母由来の炭酸を最大限に引き出す事で、ビールの美味しさを左右するキメ細かい泡立ちのビールを期待できます。キメ細かくクリーミーな泡はクラフトビールの魅力の1つ。泡まで最大限に楽しんで頂けるといいなと、ナチュラルカーボネーションを採用しています。炭酸ガスの味がせず、そのビール本来の香り、味だけを楽しめるのもナチュラルカーボネーションの良いところだと思います。
またナチュラルカーボネーションだとボトルの中でも酵母が生きている間は酸素を消費するため酸化防止、味の変化熟成、エイジングも期待できます。
一般にクラフトビールの賞味期限は3~4ヶ月のところが多いですが、ナチュラルカーボネーションだと1~2年の賞味期限にすることが出来ます。いま話題になっているビンテージビールに挑戦することも可能かもしれません。
ちなみに、ビールは出来立てが美味しいというのは某大手ビールメーカーの戦略(?)で、クラフトビールの場合は、必ずしも出来立てが美味しいとは限りません。今回試作したトゥルシビールも、出来立てより時間がたった方が美味しくなっています。というか、日を追うごとに味が熟成されて変化しているということなのだと思います。もちろん出来立てが美味しいと感じる方もおられると思いますし、美味しさはひとそれぞれなのですが、「出来立てが美味しい、出来立てでないとダメなのだ」という先入観を振り払って、時間の経過による変化も味わって頂けるとありがたいです。